木(こ)のもとのすみかも今はあれぬべし春しくれなばたれか訪ひこん 大僧正行尊
木(こ)のもとのすみかも今はあれぬべし春しくれなばたれか訪ひこん
大僧正行尊
修行し侍りけるころ、春の暮によみける
新古今和歌集 巻第二 春歌下 168
木の下の住居ももうきっと荒れるであろう。春が暮れてしまえば誰が訪ねて来ようか。」『新日本古典文学大系 11』p.64
本歌「木のもとをすみかとすればおのづから花見る人になりぬべきかな」(花山院 詞花 雑上)。
木のもとのすみか いわゆる樹下石上の粗末な庵。
「春の暮つ方」の歌。
行尊(ぎょうそん 1055-1135)平安時代後期の天台宗の僧・歌人。
金葉集初出。新古今十一首。勅撰入集四十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では藤原道信と番えられている。
小倉百人一首 66 「もろともにあはれと思へ山ざくら花よりほかにしる人もなし」